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平泉の史跡をひと通り巡ったあと、一関経由で花巻へ。予定になかった数珠の買い物から始まる、ちょっと脱線ぎみな旅でした。猊鼻渓での思わぬ「ノー」の判断を経て、宮沢賢治記念館で出会った言葉。平泉では古の時間を、花巻では今を生きる自分を思う。そんなふうに、同じ岩手でも違う時間軸を行き来する旅になりました。夫婦で歩んだ秋の旅路です。
一関での予定外の買い物から、旅は始まった
平泉の史跡を自転車で巡ったあと、一関に立ち寄りました。そこで突然、数珠が欲しくなったんです。別に信心深い人間ではありませんが、平泉を歩いたあとのせいでしょうか。なんとなく必要に感じられてね。数珠屋さんへ向かい、家族の分も含めてしっかり選んで購入しました。少し高かったかな、という気もしましたが、気に入ったものが手に入ったので、結果的には満足しています。旅先で予定していなかったものを買う。こういう予定外の出来事こそが、旅の面白さなのかもしれません。
Photo by DeltaWorks on Pixabay
猊鼻渓で「ノー」を選ぶ勇気
猊鼻渓へ向かうつもりでした。実は、ここまで来たら舟遊びをしようと思っていたんです。ところが、船乗り場に着いてみると、思っていたより寒い。10月上旬の東北というのは、なかなかに肌寒いものなんですね。風が吹くと、えらく冷え込む。「これはちょっと無理かな」という判断で、今回は舟には乗らないことに。予定をぴっちり詰めて、無理に全部こなす。そういう旅もあるけれど、こういう時もあります。最初からのんびり過ごすつもりだったので、無理はしない。その判断が、後々にいい思い出になったような気がします。

宮沢賢治記念館で出会う言葉
その後、花巻へと向かいました。ここでは宮沢賢治記念館を訪れました。平泉では自転車で古い寺社仏閣を巡りながら、昔の時間を感じていました。一転して、ここでは違うことを考えた。賢治が遺した言葉、特に「本当の幸せ」という一節が、妙に心に残りました。人生において幸せとは何か。その時々には分からないこともある。つらいと感じたことでも、後になって振り返れば、確かな意味があったと思えることがある。そんなことが書かれていました。読んでいて、「確かに人生って、そうかもね」という感覚が、じわりと胸に来たんです。
何もしない時間を大切にする
花巻では、宮沢賢治記念館以外、あまり予定を詰めませんでした。街をゆっくり歩いたり、温泉に浸かったり。何かを見に行くわけでもない。温泉に入って、何もしない。街を歩いて、少し休む。そんな時間も、旅の大切な時間なんだと思います。慌ただしく名所を回るのも旅だけれど、ぼんやりと時が流れるのに身を任せる。そういう時間もまた、大切なんですね。秋の花巻温泉で、そのことを改めて感じました。
歴史と人生、二つの時間軸を旅する
今回の旅を振り返ると、平泉と花巻では、全く違う時間を過ごしたような気がします。平泉では、昔の人たちが生きた時代に思いを巡らせた。花巻では、宮沢賢治の言葉から、今を生きる自分自身のことを少し考えた。「歴史」と「人生」。そんな二つの時間軸を、ゆっくりと旅したような気がするんです。10月の平泉。少し肌寒かったけれど、夫婦で自転車に乗り、静かな史跡を巡った。そして花巻で温泉に入り、何もしない時間を過ごした。そんな旅も、なかなかいいものだと思います。
無理なく楽しむヒント
10月上旬の岩手は、思いのほか気温が下がります。特に猊鼻渓などの渓谷沿いは風が強く冷え込むので、薄手の上着は必携です。自転車で平泉を巡る場合も同様。予定を詰めすぎず、その時の気分や天候で柔軟に変更する心持ちが大切。温泉は朝湯もお勧めで、静かな時間に浸かると心がほどけます。足の疲れも取れやすい。宮沢賢治記念館は意外と広いので、余裕を持って訪れることをお勧めします。
大人旅のひとこと
人生というのは、後になって初めて見えることが多いものです。その時は良いと思ったことが、実はそうではなかったり。苦しいと感じたことが、後々の人生を支える大事な経験だったり。賢治の言葉を読んでいて、そんなことをしみじみと感じました。平泉で古びた石段を踏みしめながら、かつての人たちの時間に想いを馳せる。そして花巻で、静かに自分の人生を思う。両者は全く違う時間の流れ方をしていますが、どちらも等しく大切な時間なのだろう。旅の途中で予定を変えることも、そうした気づきの一つなのかもしれません。秋の空気の中、温泉の湯に浸かりながら、そんなことを考えていました。




















