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【行ってみた!】関宿・湯の山温泉②|大人の温泉三昧 夫婦2泊3日
朝焼けに染まる湯の山温泉の山々を窓から眺める景色

旅先では、いつもより少し早く目が覚めるもの。二日目の朝、窓の外には湯の山の山々。静寂に包まれた温泉街の朝。夜明けの空気を吸いながら、きょうはどう過ごそうかと考えた。結論は至ってシンプル。昨日は関宿を歩いて足も疲れたし、きょうは温泉を楽しむことに徹しよう。そう決めた瞬間、何ともいえない解放感が胸を満たした。旅館寿亭に泊まる夫婦ふたりで、ただただゆっくり。何もしない贅沢を味わう、そんな二日目のお話である。 → 旅館寿亭の宿泊予約はこちら

朝風呂と朝食。温泉旅館の朝は贅沢そのもの

朝目が覚めると、窓の外は静寂に満ちていた。湯の山の山々が薄紫色に染まる朝焼けの時間帯である。昨日、あれだけ温泉に入ったのに、朝になるとまた入りたくなるから、温泉旅行というのは実に不思議なものだ。重い足を引きずって、大浴場へ向かう。朝風呂は格別である。誰もいない湯船に身を沈めると、昨晩のぬくもりが優しく包み込む。湯の山温泉の湯はやや熱めだが、朝のうちはちょうどいい加減に冷めている。時計を見ると六時半。こんな時間に温泉に浸かっているなんて、若い頃には考えもしなかった。妻も同じ時間帯に女湯に向かったのだろう。朝食で顔を合わせると、二人とも湯気に少し赤くなった顔をしていた。旅館寿亭の朝食は、季節の地元食材を使った小ぶりながら丁寧な一膳。温泉に浸かった後の朝食は、家にいる時の何倍も旨い。米の粒立ちまで味わえるのだ。

温泉街の散歩道で見かける季節の樹木

何もしないことを決める。昼散歩と季節の移ろい

朝食を終えると、「今日はどうする?」と妻に聞いた。御在所岳方面へ行ってもいい。温泉街をもう少し歩いてもいい。でも、そこは敢えて何もしないことにした。昨日は関宿を歩いて、足も疲れている。きょうは温泉を楽しむ。それで十分だと、ふたり同時にそう思った。宿の周辺を少し散歩する。山の空気を吸う。樹齢の重みを感じさせる樹木たちが、季節によって表情を変える。新緑から夏へ、夏から秋へ。その移ろいを目で追いながら、ゆっくり歩く。湯の山温泉は、四季の変化をしみじみと感じさせる場所だ。散歩は三十分ほどで切り上げて、宿へ戻る。昼食は旅館寿亭の定食。食べ終わったら、午後は完全に自由時間である。

旅館寿亭の朝食膳に並ぶ地元食材の料理

温泉、ビール、昼寝。夫婦で自由に過ごすということ

午後の過ごし方は、シンプルを極めている。温泉。ビール。昼寝。これだけだ。若い頃なら、「せっかく旅行に来たのに昼寝?」と思ったかもしれない。だが今は違う。むしろ、旅行に来たから昼寝をするのだ。家にいると、何かしら用事がある。宿の二階の部屋なら、何もしなくていい。部屋に戻って、冷えたビールをぐっと飲む。そのぬくもりと微炭酸の刺激が身体を満たす。妻は妻で好きなことをする。自分も好きなことをする。少し話をしたり、また温泉に入ったり。それぞれが自由に過ごしているのに、同じ場所にいる。この感覚が、なんともいえずいいのである。夫婦でゆっくりというのは、きっとこういう時間のことなのだ。

青い湯船が印象的な大浴場

夕食と夜の温泉。短い会話が全てを語る

夕方になると、少しだけ外へ出た。温泉街を歩く。山の景色を眺める。宿へ戻る。そして夕食である。旅館寿亭での夕食は、季節の料理。地元の食材。酒を少し。二人で料理を味わいながら、「明日はもう帰るんだね」と妻が言った。楽しい時間は早い。そう思いながら、ゆっくりと食事を続ける。食後は、また温泉だ。湯船に浸かりながら、「こういう旅行、いいね」と妻に言うと、「うん」と短く返ってきた。でも、その短い返事で十分だった。夫婦で何もしない温泉旅行の醍醐味は、こういう何気ない瞬間にあるのかもしれない。

夕方の温泉街の風景と遠くに見える山々

無理なく楽しむヒント

温泉旅館での滞在を無理なく楽しむには、予定を詰め込まないことが何より大切だ。朝は早めに目覚めるので、朝風呂で一日を始める。昼間は無理に観光地を回らず、散歩程度に留める。そして午後は堂々と昼寝をする。温泉地の周辺散歩は、歩きやすい靴と軽装で。夏場は水分補給を忘れずに。そして何より、スマートフォンを手放す勇気を持つこと。旅館の部屋での時間を、ぼんやりと過ごすのが、実は一番の贅沢なのだ。

大人旅のひとこと

時が経つにつれ、旅行に何を求めるかは変わっていくものだ。若い頃は名所を巡ることが旅だと思っていた。だが今は違う。ただ、いつもと違う場所で、いつもより少しゆっくり過ごすこと。それで十分だと気づいた。そして、そのゆっくりさを共有できる相手がいること。湯船に身を沈めながら、山の空気を吸いながら、何もしない時間の中に、人生の本質みたいなものが隠れているのではないか。そんなことを考えながら、また一杯お湯に浸かった。

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