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「どこか行こうか」そんな軽い気持ちで始まった夫婦二人の旅。行き先は会津若松と芦ノ牧温泉だ。新幹線の窓から見える景色が少しずつ東京と違ってくる。そこが旅のいいところ。移動の時間も含めて、ゆっくり時が流れる。到着した会津若松の空気は、やはり歴史の町のそれ。鶴ヶ城から飯盛山へと歩きながら、夫婦二人で会津の物語を感じた。そして夕方、芦ノ牧温泉で温泉と日本酒に包まれる。昼間は歴史散策、夜は湯と酒の時間。この組み合わせが、実に心地よかった。
新幹線から始まる旅。移動時間も大切な時間
新幹線に乗ると、窓の外の景色がゆっくり変わっていく。東京を離れ、少しずつ異なる風景へ。旅の楽しさは目的地だけではない。移動している時間そのものが旅なのだ。夫婦二人で座席に並んで、景色を眺めながら話をする。普段なら何かをしながら話しているが、ここではただ座って、景色に視線を落とせばいい。そうしていると、自然と会話もゆっくりになる。普段忙しい日々のなかでは出来ない、そんな話が浮かぶ。やがて会津若松の駅に降りる。ホームに立つと、空気が少し違うのに気がつく。街を歩き出すと、この町が歴史の舞台になった場所なのだという感覚が、ひしひしと伝わってくる。建物の佇まい、街全体の匂い、そうしたもの全てが「古い町」を語っている。新幹線の旅も悪くないが、こうして駅を降りて、足で町を歩く時間。それこそが旅の本当の始まりなのだ。

会津の歴史が立ち現れる。鶴ヶ城で時を重ねる
次に訪れたのは鶴ヶ城。会津若松に来たら、やはりここは外せない。実際に目の前に立つと、写真で見るのとは全く違う存在感がある。石垣、白い壁、天守閣。その全てが歴史の重みを示しているようだ。夫婦で城を眺める。周辺を歩く。少し休む。「ここでいろいろなことがあったんだね」そう話しながら、時間をかけて城全体を見つめた。観光地では、つい次の場所へ行こうとしてしまいがちだ。しかし少し立ち止まる。景色を見つめる。歴史の舞台に立つその感覚を、ゆっくり味わう。それだけでもいいのである。

飯盛山から眺める会津の景色
飯盛山へ向かう。会津の歴史を語るうえで外せない場所だ。白虎隊の物語を思い浮かべながら、緩い坂道を歩いていく。新緑の季節、5月から6月の薫風が心地よい。坂を登り、高いところから会津の町を見下ろす。こうして眺めると、昼間に歩いた鶴ヶ城も見える。あの城を中心に、かつての会津藩の人々が生きていた。そういう思いが、より一層強くなる。飯盛山から見る景色は、この旅で最も心に残ったもののひとつだ。夫婦で並んで景色を見つめ、言葉少なに歴史に思いを馳せる。そういう時間の持ち方も、旅には必要だと思う。

温泉と日本酒で、夜の時間を重ねる
夕方、芦ノ牧温泉へ向かう。会津若松で歴史を感じた後は、温泉でゆっくりする。この組み合わせが、今回の旅にはちょうどよかった。宿に到着し、荷物を置いて温泉へ。湯船に浸かると、「やっぱり温泉はいいね」と夫婦で同じ思いになる。風呂から上がったら日本酒。会津に来たのだから、会津の日本酒を飲みたい。少しずつ、ゆっくり飲む。その後の食事では、昼間に歩いた鶴ヶ城や飯盛山のことを話す。昼間は歴史。夜は温泉と日本酒。一日の終わり方として、実になかなかいい。夫婦二人だからこそ、こういう静かな時間が作れるのだと思う。

無理なく楽しむヒント
観光地を全部制覇することが目的ではない。夫婦二人のペースで、立ち止まり、景色を見つめ、歴史に思いを馳せる。そういう時間の使い方が大切だ。移動は新幹線と電車で。自分たちで運転する必要がなく、窓の外を眺めたり、話したり、うっかり眠ったり。そういう自由がある。宿選びも身構える必要はない。2万円前後の普通の旅館で、温泉と食事が出来れば十分。会津の歴史を昼間に感じたら、夜は温泉と地酒でゆっくり。夫婦二人だからこそ出来る、そういう贅沢さを大事にしてほしい。



















