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法事のため岐阜へ赴いた帰り、ちょっと足を伸ばして家族で寄り道することにした。目指したのは、かねてから一度は訪れてみたいと思っていた岩村。標高717mという高さに築かれた山城、岩村城跡。日本三大山城の一つとして知られるこの場所が、どんなところなのか、自分たちの足で確かめてみたかったのです。法事という少し重い用事を済ませた後だからこそ、家族でゆっくり歩く時間が心地よく感じられました。
岐阜からレンタカー、山越えで岩村へ
岐阜からレンタカーで岩村へ向かった。電車の時刻表に気を遣う必要もない、というのが家族での移動の気楽さだ。渋滞もなく、山越えのクネクネ道も、家族でいると運転手以外は景色を楽しむ余裕ができる。岩村という小さな町が近づくにつれ、周囲の山々が少しずつ濃くなっていくのが感じられた。やがて、山の中腹にぽつぽつと建物が見えてくる。あの山の上に城があったのか、という感慨がわく。レンタカーで町の駐車場に車を停め、さあこれからが本番だ。

山城跡は「石垣と地形の物語」
岩村城跡は、単に「昔の城があった場所」ではない。実際に現地を歩いてみるまでは、天守閣のような目立つ建築物が残っているものだと少し勝手に想像していたのだが、そんなことはなかった。残されているのは、山の地形そのものを活用して築かれた城の痕跡。石垣がところどころに現れ、歩を進めるたびに、かつてここに何がどう構築されていたのかを、体で感じながら歩むことになる。標高717mという高さで、どうやって築城したのか。山道を登りながら、そんなことばかり考えていた。足元は緑に覆われ、時折、風が吹き抜けていく音が聞こえる。靴底が落ち葉を踏む音。そういった細かな音が、山城跡を歩く実感を深めてくれた。

霧の中で江戸の時代に思いを馳せる
霧ヶ城とも呼ばれる岩村城。その名の通り、天気のいい日でも、この山の高さからは、朝の霧がかかることがあるという。実際に訪れた日も、頂上近くでは薄い霧がかかっていた。視界が20メートルほどに限定される中を家族で歩くと、まるで江戸時代の侍たちと同じ景色を見ているような錯覚に陥る。もちろん、その時代と今では町も変わり、スマートフォンも持っているのだが、その瞬間だけは、どこか時間が違うものに感じられた。石垣が幾重にも重なった跡地を見ると、ここに本当に大きな城があったのだと、改めて実感できる。
岩村本通りの古い町並みを家族で歩く
岩村城跡から下山して、町の中心部へ向かった。岩村本通りと呼ばれる、古い商家が並ぶ通りがある。江戸情緒を感じさせる建物が、今でも使われている。こういう町を歩くのは、いくつになっても好きだ。細い路地に、ふと昭和を感じさせる木製の看板が立っている。家族と一緒に、そういう細部を指しながら、「昔の人たちはここを歩いていたんだろうな」と話し合う。そうした何気ない会話が、実は旅の一番の思い出になることが多い。古い町並みを歩くことで、山城跡での歴史を感じる経験がさらに深まる。
Photo by DeltaWorks on Pixabay
無理なく楽しむヒント
岩村城跡へ向かう山道は、しっかりした靴を履いていくことをお勧めします。落ち葉が積もった道では、足を取られることもあります。5月から6月の季節は、虫が多い時期でもあるので、虫除けスプレーがあると便利。また、山の上での気温は思いのほか低いことがあります。薄い羽織物を持参すると、朝の霧の中での散歩も快適です。スマートフォンのバッテリーも消費しやすいので、モバイルバッテリーがあると安心。家族での散歩なら、一度に全部を回ろうとせず、何度かに分けるくらいの気楽さがちょうどいいでしょう。


















