
目次

2泊3日の会津若松旅行も終わり、最終日を迎えた。朝の澄んだ空気の中で朝食を済ませ、もう一度温泉に浸かる。「もう帰るのか」そう思った瞬間、あっという間だった旅の時間が、ふいに惜しく感じられた。鶴ヶ城に飯盛山、会津の歴史を肌で感じながら歩いた二日間。そして芦ノ牧温泉で夫婦二人でのんびり過ごした時間。観光と休息のバランスが絶妙だった、この旅を振り返る。
最後の朝風呂。温泉に浸かりながら、二日間を思い出す
朝食を終えて、もう一度温泉へ向かう。最後の入浴だと思うと、湯が一段と深く感じられる。朝風呂というのは、なぜこんなに気持ちいいのだろう。湯船に浸かると、窓の外には新緑の景色が広がっていた。初夏の朝日が樹々を透かして、黄緑色に輝いている。その光を眺めながら、昨日までの二日間を思い出す。会津若松の街で見た鶴ヶ城。土塁を登った飯盛山。あの白亜の天守閣は、どこか気高い姿で君臨していた。飯盛山の頂上から眺めた会津盆地の広がり。そして夜間、宿の窓から見た景色。温泉に身を沈めながら、そのすべてが、一つの物語として自分たちの中に積み重なっていくのが分かった。

観光だけではない。温泉と休息のバランスが良かった
二日間の旅で最も印象に残ったのは、確かに鶴ヶ城と飯盛山だ。会津の歴史を実際に歩いて感じることができた。しかし、この旅を良いものにしたのは、観光地だけではなかったのだと思う。芦ノ牧温泉で過ごした夜の時間も同じくらい重要だった。温泉に浸かること。夜中に日本酒をちびちび飲むこと。窓の外に見えた山並み。妻と何気なく交わした会話。こうした静かな瞬間があったから、この旅は余韻を持つものになったのだ。若い頃なら、観光地をできるだけ多く回ろうとしたはずだ。でも50代、60代にもなると、旅の楽しみ方が変わってくる。一つ二つ、心に残るものがあれば十分。歴史を感じる町を歩く。温泉で休む。良い日本酒を飲む。そのシンプルなバランスが、今の自分たちにはちょうどいい。

帰路で思う、また来たいという思い
チェックアウトの時間になると、宿を後にする。帰路は新幹線と在来線。車窓から見える風景は、少しずつ日常へと戻していく。田んぼが広がり、街並みが増えていく。その変化を眺めながら、妻とこう話した。「また来たいね」。まだ見ていない会津の場所もたくさんある。今回の旅で行けなかったところもある。だからこそ、いい。一度の旅行ですべてを見る必要はない。大事なのは、「また来たい」と思える何かが残ることだ。旅の終わりは、次の旅の始まりでもある。窓の外を眺めながら、「次はどこへ行こうか」と思う。その時間が、旅人にとっては最高の贅沢ではないだろうか。

無理なく楽しむヒント
50代・60代の旅は、欲張らないことが大切だ。朝は温泉の中で目覚め、昼間は歴史のある場所をゆっくり歩く。そして夜は宿でのんびり過ごす。こうしたリズムを守ることで、体の疲れはもちろん、心の疲労も残らない。靴は履き心地の良いものを選ぶこと。会津若松の街は坂が多いので、歩きやすさは重要だ。また、移動は無理のないペースで。新幹線や電車の時間に余裕を持たせることで、バタバタすることもなくなる。そして何より大事なのは、同伴者とのペースを合わせることだ。無言で景色を見つめたり、温泉の中で何気なく話したり。そうした時間が、この年代の旅を豊かにするのだと思う。
大人旅のひとこと
















